神社などで見られる「謎の穴」の正体は?

古い手水鉢や灯篭の台石などに見られる不自然な穴

神社仏閣の参道に参拝者の身を清める手水(ちょうず)鉢が置いてありますが、その縁に不自然な穴(窪み)が何ヵ所かあるものを時々見かけます。穴の大きさは数㎝~10㎝くらい、中には多数の穴で原形を留めないほどデコボコになったものもあります。同様の穴は、崇拝対象となる岩石や灯篭の台石など古い時代の石造物に多く見られますが、いずれもデザイン的なものや何かの用途で彫られたものではなく、雨垂れや長年の風化によってできたものでもありません。これらの穴は「盃状穴(はいじょうけつ)」と呼ばれているものです。

古くより世界中に存在する「盃状穴」

では一体、誰が何のために彫ったものなのでしょうか。盃状穴の存在は、実は世界中で確認されており、最初に学会で発表されたのは1627年のスウェーデンでした。穴はペッキングという方法で彫られたもので、一説によると女性のシンボル(性器)を意味するそうです。古いものは、海外ではペトルグリフ(岩や洞窟内に刻まれた彫刻)やストーンサークル(環状列石)など、国内では西日本一帯に多く存在し、磐座(いわくら)などでも確認されていて、子孫繁栄(子宝)や死者の蘇生、病気平癒などを願って彫られたものとされます。縄文時代のものや古墳の石棺に彫られたものもあり、世界遺産「神宿る島」宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群の一部である大島(福岡県宗像市)北部の馬蹄(ばてい)岩にある盃状穴も同時期のものと推定されています。

兵庫県には実際に盃状穴が彫れる神社も

現存する石造物に見られる盃状穴の多くは、主に江戸時代に彫られたようですが(人に見られないよう夜中に彫ると効果があるとも言われる)、こうした習俗は明治以降、いつの間にか廃れてしまいました。それにしても、無数に彫られた大小の盃状穴を見ると、子宝や子孫繁栄を願う人々の切なる気持ちがひしひしと伝わってきます。「それなら私も」と近所の神社で石造物に勝手に穴を彫ると、器物損壊罪(刑法261条)に問われる可能性があります。兵庫県丹波市の高座(たかくら)神社では、子授祈願・心願成就祈願祭の特別祈祷として、本殿で神事を行なった後、実際に盃状穴を彫ることができるそうです。ご利益の有無は不明ですが、評判が広まれば、こうした習俗が現代に復活するかも知れません。

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