インドでヒンドゥーから仏教への改宗が急増

カースト由来の差別行為は禁じられているけれど...

インドでは、1950年制定のインド憲法によって、不可触民(アチュート、アンタッチャブル。一人称はダリット)を意味する差別用語の使用を禁止していますが、同憲法が禁止しているのはカースト(ヒンドゥー教における身分制度で、現在はヴァルナとジャーティと呼ぶ)由来の差別行為であり、カーストそのものが禁止されているわけではありません。カーストは、紀元前にインド亜大陸を征服したアーリア人が先住民を肌の色で差別したのが始まりとされ、上から「バラモン」(ブラフミン、司祭、僧侶)、「クシャトリア」(王族、軍人)、「バイシャ」(市民、商人)、「シュードラ」(隷属民、労働者)があり、その下に不可触民が位置付けられます。インドの総人口は約13億3,000万人、そのうち約2億人が不可触民だと言われています。

差別行為を「宿命」として受けざるを得ない不可触民の現実

ヒンドゥー教には、仏教とも共通する輪廻思想(現世は前世の報いの結果であり、その役割を全うすることで善い来世に生まれ変われるという考え)が根底にあり、不可触民はそれを宿命として受け入ざるを得ないのが現実です。全人口の約8割を占めるヒンドゥー社会では今でも差別意識が根強く残っており、不可触民は「家を借りるのが難しい」「職業を選べない」「教師や警察からも白い目で見られる」「ヒンドゥー教の寺院すら入れない」「(犬でも飲める)村の井戸水を自由に飲めない」といった嫌がらせや差別行為を受けているのです。

日本人僧侶が仏教への改宗を呼びかけるリーダーとして活躍

そんなインドで近年、不可触民が(インドでは13世紀にほぼ消滅したとされる)仏教へ改宗する動きが目立っているそうです。しかも、その集団改宗式を率いているのが、インド国籍を取得した日本人僧侶で、インド仏教界の最高指導者の一人である佐々井秀嶺氏(85)です。佐々井氏は1967年の訪印以来、一貫してカースト差別を否定しており、その献身的な努力によって2011年に840万人(全人口の0.7%)と発表された仏教徒は、実際は5,000万とも1億人以上とも言われるまでになっています。インドの伝統を破壊する危険人物として投石や毒殺されかかっても仏教への改宗を呼びかける佐々井氏の信念と覚悟は相当なものです。非力ながら同じ仏教徒として応援し続けたいと思います。

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