お墓や仏壇が誘発するプルースト現象とは

瑛人のヒット曲『香水』はプルースト現象を歌ったもの

シンガーソングライター瑛人(えいと)の『香水』は、昨年のミュージックシーンを代表するヒット曲となりました(リリースは2019年だが、短尺動画サイト「TikTok」で再生数を伸ばし話題となった)。年末の日本レコード大賞では優秀作品賞を受賞し、その翌日のNHK紅白歌合戦でも初出場を果たしています。その有名な一節「♪別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す 君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」は、匂いが引き金になって、何らかの記憶が意図せず呼び起こされる「プルースト現象」(マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』にそれを象徴する場面が登場する)と呼ばれるものです。

「何が懐かしい匂いか」(匂いと記憶の関係性)

ある大学の認知発達心理学の研究によると、匂いが持つ特徴として「匂いに関する記憶は忘れにくい」「以前と同じ匂いがあったほうが(その匂いがあった)過去の状況を思い出しやすい」「ある物質の匂いを嗅ぐのと(その物質の)文字を見るのとでは、思い出す記憶に違いがある」とのことで、さらに「視覚を通じて思い出される記憶は不明瞭だが、匂いが呼び起こす記憶は、より情動的で鮮明」だということです。また、その大学で「何が懐かしい匂いか」を年代別に調べたところ、70歳代の上位3つが「キンモクセイ、母、畳」で、20代は「線香、キンモクセイ、畳」という結果だったそうです(20代の回答で「線香」が1位というのは意外でした)。

仏具の三具足で、懐かしい記憶が戻ってくる!?

これらのキーワードは、お墓(お仏壇)にお供えするお線香や生花に通じるもので、まさしく仏具の三具足(香炉・燭台・花立)は、そのプルースト現象を誘発させる装置だと言えます。コロナ禍が続く中、10都府県の緊急事態宣言が延長されましたが、それが解除されれば、春彼岸の(県をまたいでの)お墓参りは行きやすくなるでしょう。お供えしたお線香と生花の匂いを嗅ぎながら墓前で手を合わせれば、かつて大切な人(あるいはペット)と過ごした「佳き日々」の想い出が鮮明に蘇ってくるかも知れません。そんな心温まる日常生活が再び戻ってくることを願っています。

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